2013年12月25日水曜日

世界の恐怖怪談




幼少時に出会った物・出来事はその人のその後の趣味嗜好に大きな影響を与えると強く思います。
現在の自分の怪奇・ふしぎ趣味はこの本によって作られたといっても過言ではありません。









小学生当時、偶然図書館で当書を見つけ、挿絵の雰囲気に引き込まれて何度も借りては読み耽りました。カバーは無くボロボロで写真の様な状態であったことも、本書の怖さを一層引き立てていたと思います。
後になってこれが荒俣宏氏によって手掛けられた本だと知るのですが、それは二十歳を過ぎてからのお話‥


中質系のザラ紙にオレンジと墨を主とした本文の印刷が独特の雰囲気を醸し出しています。著名な画家による絵画ギャラリーも、写真が程よく潰れてそこが逆に怖かったんですね。



これがカラー表紙。これも二十歳を過ぎて調べ、改めてこんな色だったのか!と感動しました。
辰巳四郎氏(椎名林檎の叔父)による表紙イラストも最高。
プロの仕事に無防備な小学生を、辰巳先生や荒俣先生、武内先生が襲う訳です。


構成としては、海外の恐怖小説を大まかなジャンルに分け、間に絵画を挟んで紹介してゆくといったもの。本来長編のお話も短く再構成され、集中力の無い子供(及び管理人)にも作品世界に入って行き易い配慮がなされていた様に思います。


特に印象に残ったお話としては、教授が生きたまま巨大カタツムリに食べられる「怪獣のすむ島」、ひとりの男が異世界の住人にある方法で追いつめられて行く「見知らぬ首つり男」があります。
ちなみに「見知らぬ〜」の作者はフィリップ・K・ディック!

本の中で紹介される恐怖小説の原作者、画家をざっと挙げると‥

(小説)
レイ・ブラッドベリ
ブラム・ストーカー
H・P・ラブクラフト

(絵画)
エッシャー
ボッシュ
ムンク
キリコ
ゴヤ

‥等々。どうですか?読みたくなってきませんか?(笑)


(ちょっと下衆な話)
それなりにプレミアがついている印象のこの本、ネット等で探せば案外そこまで高くなく入手出来るのではと思います。書店で見かけたことは一度しかありませんが(その時は15000円程度でした)、ちょっとでも興味をお持ちになって、かつ10,000円前後であれば迷わず購入すべきではと思います。


オススメです!




ちょっと逸れますが、カバー絵の顔と、映画「ファンタスティック・プラネット」のドラーグ人はどことなく似ていると思いました。双方好きですし、何とも不思議な繋がりです。



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